Report活動レポート

様々な学問を英語で学びながらアメリカ文化を存分に味わう!

定形直紀 群馬大学(教育学部4年)

留学期間:
2022年1月12日~2022年12月22日
留学先:
アメリカ・コロラド州(Fort Lewis College)

様々な学問を英語で学びながらアメリカ文化を存分に味わう!

2022年1月から12月の留学では、衣食住文化の違いはもちろんのこと、コロナに対する考え方やアイデンティティーに対する考え方など、様々な側面から日本とアメリカの文化を比較しながら、改めてお互いの良し悪しについても考えさせられた。特に、このアメリカ留学は大きく分けて2つのことを学ばせてくれた。

打ちのめされた自信

1つ目は「自信」だ。特に言語習得という観点からの経験だ。現地に到着すると、ネイティブの話すスピード、言葉選び、スラングなど、たくさん勉強したから大丈夫だろうという自信は簡単に打ちのめされた。しかし私は友達作りが得意で人と話すことも好きなので、今まで得た英語の知識を振り絞ってめげずにくらいついた。

最初の2~3ヵ月は英語に対して気持ちのアップダウンが激しかったものの、4ヵ月、半年と試行錯誤を重ねていった。もちろん、現地で生活するにつれて耳が慣れてネイティブと対等に話せるようになってきたり、私の話す英語の流暢さも感じられたりした。そしてある時、ネイティブの友達からYour English is awesome even though it’s your second language! I speak only one language but you two! と言われ、自信を持てた。

アメリカ

それからは、今まで頭で考えても口に出さなかった英語を口に出してみる、自分の英語はネイティブにも通用するから大丈夫だと、英語の正確さにとらわれずに話すようになった。そこからは、授業での話し合い、プレゼンでは積極的な意見交換、ネイティブの友達と話す時に私が主導で話を巻き込んでいくなど、急激な英語力の飛躍を感じた。気の持ちようは良くも悪くも行動を変えることだと実感した。

自己責任と生き抜く力

2つ目は「異文化で生き抜く力」だ。食、文化、言語などすべてが違う場所で生活をしたことで、日本では学べなかった生きる術を得た。困っていたら誰かが助けてくれる。静かなことが美徳。日本はこのような文化背景があるように思える。しかし、アメリカでは、自由度は高いが、自分の行動は自己責任。基本的に自分のことは自分でどうにかする。現地で感じたことだ。

留学先での授業はチャレンジングで、たくさんの専門用語を覚えたり、日本語でも複雑な内容を英語で理解して考えを示す必要があったりした。それに加えて毎回授業で出る課題。提出できない、内容が沿っていないなどがあれば成績は落ちていく一方だ。そのため、頻繁に先生に授業内容のおさらいを聞きに行った。先生は皆優しく、分からないところは分かるまで言葉を変えて説明してくれた。感じたのは、意欲がある人にはそれだけ真剣に接してくれる。逆に言えば、やる気がなければ、それはそれで問題ないが、自己責任であった。

生き抜く力は授業の他にも、夏休みの旅行で格段に伸びた。私は1ヶ月近く1人でアメリカを旅した。アラスカやサンフランシスコでネイティブの友達の家に泊めてもらいながら遊んだり、ニューヨークやボストンに行って1人で観光地を探検したりした。

アメリカ

その中で、予約したAirbnbの治安が悪かったり、フライトがキャンセルされたりと、思いがけないことがたくさん発生した。私は今まで培った英語力を駆使し、助けが必要な時には助けを求め、おかしいことはおかしいと伝え、なんとか数多のトラブルを切り抜けることができた。頼れるのが自分しかいないという状況でこその成長であったように思う。

英語教師になってやりたいこと

私は、大学卒業後は高校の英語教師になり、高校生に英語を教えたいと考えている。そこでは、留学で身に着けた英語力と経験談などを踏まえて、生徒に楽しくリアルな英語を学んでもらいたい。言語学習にモチベーションは必須だ。生徒が「どう英語を学ぶか」と考えたときに核となるのは、英語でより多くの情報を得られることの素晴らしさ、翻訳を使わずとも自分の口から、自分の言葉で自分の思いを表現し、ネイティブの人たちとわかり合えることの喜びだと思う。

文法、読解など情報を読み取る能力に焦点が当たっている日本の英語教育を否定する気はない。どんなにフレーズを知っていても、情報が読み聞きできなければ全く意味はなくなってしまうからだ。加えて、私も正直なところ、日本の英語教育に否定的な意見があったが、改めて留学中に考えてみて、肯定的な意見もたくさんあることに気付いた。それは、ヨーロッパからの留学生の友達で流暢に英語を話しているが文法がめちゃくちゃだったことがきっかけだった。

一般的に日本人の英語は「教科書英語」で文法的な話し方をする。しかし、それをベースとして英語を学んでいくことで、正しい英語の知識が得られる。ある程度の知識が蓄積した高校の英語教育レベルにおいて、話す機会を増やした授業を展開し、文法的には正しくても不自然な言い回しや実際にネイティブが頻繁に使うフレーズなどを教えることで、より日本の将来の英語力にも貢献できると信じている。また、留学に挑戦したい生徒を私の経験をもとに後押しするなど、私の教えた英語で未来が切り開ける人材育成にも励んでいきたい。